セミリタイアどころじゃない
人生100年時代。つい先日も政府が「70歳まで働ける社会の実現」のため、企業に対して高齢者の就業機会を作るよう努力義務を課す方針を打ち出しているとの報道がされていました。以前の記事で「死ぬまで働け」と言っていると表現しましたが、少なくとも「70歳までは自分で稼げ」という方針が明確になってきたと言って良いでしょう。
対して、「何歳から公的年金を受給したいか」というアンケートの結果は60代が大多数となったそうです。そりゃそうだ、と僕なんかは思ったのですが、皆さんはいかがでしょう?
さらに言うなら、「公的年金だけでは老後の生活費としては不十分」という現実があります。
金融庁は5月22日、「『高齢社会における資産形成・管理』報告書(案)」を発表しました。その中では「公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある」と明記されています。そして国民には自助の充実をするよう呼び掛けたんだそうです。
自助の充実? 要は「自分でなんとかしてね」ということです。金融庁としては厚労省管轄の公的年金は人ごとなんでしょうかね? 金融庁が言う「満足な生活水準」がどの程度のものを指しているかは分かりませんが、僕が令和への改元で触れた「どうにかなる時代の終わり」が計らずも裏打ちされることになりました。
このような動きにもちろん言いたいことなどはあるでしょう。しかし、現実にその日が近づいている以上、少なくともその日に向けての準備が必要であると思います。
まずは「今できること」を。
どう備えるのか、それはその人その人によって変わってきますが、基本は貯蓄と投資しかありません。そしてそのバランスです。
引用したネットニュースの中に「公的年金の保険料を払っているから貯蓄ができない」という意見などが出ているとありましたが、公的年金の納付は義務である以上避けては通れません。厚生年金保険料は有無を言わさず給与から天引きされますし、国民年金保険料の徴収は厳格化が進むでしょう。
であれば、残った収入の中で出来る事を探るしかない。今の現実をまず見つめ直し、今後(老後)どの程度の生活水準を維持したいのか。そこから逆算して計画が立てられることが一番ですが、そんな事が出来るの人の方が少数派でしょう。
しかしなんとなく将来が不安、そう感じているのなら、今できることをすぐに始めるべきです。幸い今は小額からできる投資もありますし、積立型の金融商品も多くあります。その中で自分に最も合っていると思えるものを見つけてください。
まず「何か始める事」で、朧気ながらでも自分の未来が見えてくるはずです。始めてしまえば修正はあとからいくらでもできます。始めなければいつまでも「何をどうすれば良いのか分からない」という状態が続いてしまいます。
年金だけではどうにもならないかもしれません。それでも年金が老後の収入の軸足であることには変わりはありません。もう一方の足が力強く大地を踏みしめられるよう、今この時から備えるべきなのです。
▼よろしければクリックお願いいたします。