現実として保護活動はお金がかかる
猫に限らず、ペットの保護にはお金がかかります。それは少し考えてみれば分かることです。餌代、場所代、人件費・・・。その活動はともすると批判の的になったりします。「偽善者」や時には「詐欺集団」などの意見が、ネット上では見受けられます。
確かに、そう揶揄されても仕方のないような団体が存在する(した)ことは事実かもしれません。しかし、僕がこれまで話を聞いた地元の保護団体のほとんどは「普通の人」が「普通の感覚」で「純粋に命を救いたい」と願って、額に汗して懸命に活動していました。そしてその多くが活動の費用に困窮しています。これもまた事実です。
先日も悲しいニュースを目にしました。多頭飼育崩壊を起こしたNPO団体が刑事告発されたというニュースです。この記事だけではどうしてこんな環境になってしまったかは分かりませんが、この団体も最初からこんなことになることを望んでいたはずは無いと思います。
necottoが目指すもの
僕は、保護活動はその持続性を維持するためにも、きちんと財務管理がなされて収支は黒字にならないといけないと思っています。営利団体では無いので、その組織、団体を維持できるだけでいい。しかし残念ながら収入の大部分を寄付で賄っているところが多い。グッズ販売などの工夫・努力をされているところも多いですが、まだまだ活動をされている方自身が、時間とお金の両方を費やしている場合が多いのです。
ではどうすれば黒字を維持できるのか、その先駆者としてまずは以前の記事でも紹介し、僕らがリスペクトしている「東京キャットガーディアン」の活動。保護猫の活動をソーシャルビジネスとしてシステム化しています。「東京だから」との意見もあるでしょうが、地方でもその土地その土地での最適な解が見つかるはずです。
そういった活動が広がっていく事が、最終的に「無理のない保護活動」に繋がるはず。どういった形になっていくかはわかりませんが、きっと僕たちが目指す事は今後大きな流れになっていくでしょう。
もうひとつ、僕が可能性を感じてる活動が沖縄にあります。
なんと、ペットショップ運営会社が犬や猫の生体販売をやめるというのです。日本のペット生体展示販売は以前から批判も多かったのですが、まさかその運営会社自身がその取扱いをやめる決断を下したのは本当に驚きました。これも今の時代の流れを象徴する出来事なのでしょう。上手くいくことを願ってやみません。
そして、我がnecottoです。まだ産声を上げたばかりの活動ですが、僕たちが保護団体さんの受け皿になり、きちんと利益を上げ、necotto自体が増える、またはnecottoを模倣するような賃貸物件が増えていけば、それだけ救える命も増える。
これから試行錯誤を繰り返し、necottoも変わっていくでしょう。いや、全ての保護活動が、これから大きく変わっていくと思います。ただ全ての活動が疲弊することなく持続していくこと、それが最も大切なことなのです。
それでも命を買いますか? - ペットビジネスの闇を支えるのは誰だ - (ワニブックスPLUS新書)
▼よろしければクリックお願いいたします。