まっぴらごめん~50歳からのセミリタイア挑戦~

老後は好きなことして過ごしたい! 生活のために働き続けるなんてまっぴらごめん。余生を「猫の保護活動」に注力するため、セミリタイアを目指して奮闘する日々を綴ります。

necotto誕生物語 #番外編②

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悩み抜いた先の決断

necottoは「保護猫共生賃貸」です。入居者さんには「最低1匹は保護猫を飼育してもらう」という特殊な条件を設けています。さらに妻の提案で女性専用にしました。

このような形態を決定するまでには、約1年の時間を要します。それから以前の記事で紹介した業者探しが始まるのです。

今日は、そこに至るまでの僕たちの迷いと、悩み抜いた末に辿り着く「女性専用保護猫共生賃貸」という、不動産投資としてはマイナスの要因を盛り込む決断をするまでの過程をお話しさせていただきます。

 

駅前なのに入居の無い貸店舗

全てはこの物件の存在から始まります。そもそも僕の祖父は長崎県は五島列島の福江島出身でした。それが戦後、今のnecottoがある場所に居を構え、鮮魚店を営んでいたのです。やがて祖父は鮮魚店をそのまま知人に貸し、自らは勤めを始めます。祖父(と言うより祖母だったらしいですが)は先見性があり、その後近隣の土地も手に入れ、そこを自宅兼貸店舗とします。結果、僕が物心ついた頃には貸店舗は3件になっていました。

こう書くと僕は恵まれたスタートの条件を最初から持っていたかのように思われるかもしれませんが、そうではありません。僕がnecottoの決断をした時、入居している店舗は1件のみ。地方ですので、その家賃もそれほど高額ではありません。そしてここが最も問題なのですが、その空き店舗はもう10年以上入居者が無かったということです。残っているお寿司屋さんもいつまで営業を続けられるのか不透明な状態でした。

necottoは西鉄大牟田線の駅のすぐ近くにあります。目の前には県道が通っていて、かつては南北に市内を貫くメインストリートでした。しかし、市の整備により新たな幹線道路が作られ、車の流れはそちらに移ってしまっていました。

そんな中、築40年を越える木造の店舗併用物件にどれだけ期待ができるでしょうか。致命的なことに、駐車場もありませんでした。

なんとなく不安は感じていたけども

しかし、その頃はそんなに危機感を持っていませんでした。僕は契約社員ながら勤めをしていますし、妻はパートをしてくれています。そして1件だけになってしまったと言え家賃収入もありました。子供も居ませんし、5匹の猫たちとのほほんと暮らしていたのです。なんとなく不安は感じていたけども「なんとかなるんじゃね?」程度に悠長に構えていたのです。

そんな時に目にしたのが「消費税増税前のマイホーム購入」に関するテレビの番組です。「そういえばウチもかなり古いし、お寿司屋さんもいつまで続くか分からないよな。ひとつ建て替えの相談してみるか。」そう思いついたのが全ての始まりでした。そしてそれは、僕ら夫婦にこのままだと暗鬱な未来しか思い描けないという事実を思い知らせることになります。まさに「なんとかなる時代」はすでに終わっていたのです。


賃貸アパートか、貸店舗か

 「消費税が10%に上がる前に大きな買い物はしておくべき」だと考えて検討を始めた空き店舗の処遇ですが、それは僕たちに恐ろしい現実を突き付けます。まずこのままだと「ジリ貧」しかないという事。最後に残った1件が退去されたら、その後の入居は恐らく見込めないでしょう。僕らはまずFPさんに相談し、僕たちの貯蓄、見込める年金、どのくらいまで働くことができるのか、そういったことを見つめなおしました。そして、「今決断すれば、どの程度までのローンを組めるのか」という一番の大問題に向き合う準備をしたのです。当時は47歳、実際、大きなローンを組むならもうラストチャンスでした

目の前に並べられたそれぞれの情報というカード、僕はそれを睨み、並べ替え、「やれること」と「やりたいこと」を鮮明にしていきます。そして「賃貸アパートにしようと思う」と妻に提案します。そして「どうせやるなら自分のやりたい、特色のあるアパートをやりたい」と。それが保護猫共生賃貸という形だったのです。

 

「保護猫共生賃貸」という形態

僕と妻は、もともとネットで猫を通じて知り合ったという経緯がありましたので、すぐ妻は興味を持ってくれました。僕の考えを理解し賛同してくれ、そして「女性専用にしたい」との提案もしてくれたのです。

 それは現実味があることなのか、そこが問題でした。そんな条件を付けて、実際に入居のニーズがあるのか。思い付きはしたものの、成功する確証などありはしません。

僕らは、今すでにある「猫を飼える賃貸物件」と「保護猫の里親募集の現状」について調べます。そして「猫を飼える物件が市内に1棟しかない事(平成27年当時)」「保護猫の里親募集では単身女性が最も敬遠されること、飼いたいのに断られることが多い」という現実を知ります。僕はすぐ「ならばそういう女性にこそ住んでもらう形態にしよう」と考えました。そしてその考えに妻も賛同してくれます。「いける」と思ったのではなく「そうすべき」だと感じた、それが正直なところです。成功の確証はありませんでしたが、誰も手を付けてないニーズなら、賭けてみる価値があると決断したのです。妻も賛同してくれた以上、迷う必要はもうありませんでした。

 

結果が出るのはこれから。

 現在necottoに入居は6部屋中3部屋、開業から10カ月になろうとしていますが、入居率は5割に留まっています。しかし、すでに入居してくれた方の笑顔、そして実際にnecottoに来てくれた猫たちの様子を見るにつけ、僕らの決断は正しかったとのだとの思いを強くしています。以前書いた「僕の中の2匹の猫への罪滅ぼし」という意味でも、この活動は成功させねばなりません。僕らは、本当に正しかったと胸を張って言える日に向けて、歩み始めたばかりなのです。

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